アットスカイカタログ
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附  録(1)腐食性ガスの発生する場所   亜硫酸ガスは、電線、ケーブルに使用される銅、鉛、錫、アルミニウム、鉄などを腐食したりゴムおよび合成樹脂を透過します。したがって、非常に濃度の高い亜硫酸ガスの雰囲気中において使用できる完全な材料はありません。   しかし、一般工業地帯における程度の濃度に対しては、クロロプレンおよびビニル、黒色ポリエチレンの防食層を施すことにより、ほとんど問題にならない程度に腐食を防止することができます。工場内の架空配電線、鋼帯がい装ケーブルなどには、これらの防食層を施す必要がある。(2)アンモニアガスの発生   ゴムおよび合成樹脂は、アンモニアガスによって物理特性は変化しませんが、アンモニアを吸収することにより絶縁抵抗は低下します。   アンモニアガスの雰囲気中で使用する場合は、ゴム、合成樹脂、鋼タフレックス、ラミネートシースのようなガス遮断層を施したケーブルを用いることにより、絶縁抵抗の低下を防ぐことができます。(3)酸類に接触する場所   濃硫酸、濃塩酸、硝酸などの酸化性酸に対して完全に耐えるゴム、合成樹脂は、ふっ素樹脂を除いてはなく、いずれも酸化し、脆化してしまう。しかし、一般の鉱酸(硫酸、塩酸など)に対しては、ポリエチレン、ビニルおよびクロロプレンが耐えるので、これらを被覆した電線、ケーブルを使用して下さい。室温においては、これら各材料のうちでもポリエチレンが比較的良好です。(4)タール系溶剤に接触する場所   石炭ガスの廃液またはタール処理において発生する芳香族系溶剤に対して、ゴム、合成樹脂単独で完全に耐えるものはふっ素樹脂以外にはありません。したがって、現段階においては、鉛被にポリエチレンか、またはニトリルゴムを防食層として施したものが最善の策といえます。できればケーブルがこれらの溶剤に浸漬されないよう、架空配線とすることをお奨めいたします。(5)製紙廃液に接触する場所   製紙工場において問題となるのは、ターペンチン油です。これに対しても、ほとんどのゴム、合成樹脂は単独では侵されます。   しかし、鉛や鉄の金属は侵されないので、鉛被ケーブル、鋼タフレックスがい装ケーブル、あるいは金属ラミネートシースケーブルを使用して下さい。(6)ケトン系溶剤に接触する場所   メチルケトンなどのケトン系溶剤には、ビニル、ニトリルゴムおよびクロロプレンは溶解されますが、天然ゴム、およびポリエチレンは侵されません。したがって、これらの材料を被覆した電線、ケーブルを使用して下さい。(7)クレオソート油に接触する場所   ポリエチレンを除くそのほかのゴムおよび合成樹脂は、クリオソート油により膨潤劣化します。したがって、ケーブル支持物として使用されるクリートで、クレオソート油を真空含浸したものを用いる場合、あるいはクレオソート油で防腐処理した電柱に電線を添わせて配線する場合には、クロロプレンシースやビニルシースが直接クリートが電柱に接触しないよう、ポリエチレンのシートを間に介在させて使用することが必要です。この場合、ポリエチレン電線を使用することが安全です。(8)汚染性ガス、煙霧雰囲気または海岸に近い場所   合成樹脂あるいは合成ゴム絶縁電力ケーブルのケーブルヘッドには、最近、合成樹脂や合成ゴム材料を応用したものが多く用いられている。化学工場などの汚染性ガスあるいは煙霧の著しい場所においては、これらの表面が汚染し、トラッキングを生じ、ついには表面閃絡事故を発生するおそれがあります。したがって、このような場所には、碍子形ケーブルヘッドを使用し、かつ、定期的に清掃することが必要です。 ケーブル端末処理上の注意(1)絶縁体上半導電性テープの剥ぎ取り   絶縁体上の半導電性布テープはつぎの順序で完全に剥ぎ取って下さい。半導電性布テープのみを剥ぎ取っても、布テープのケバ等を絶縁体上に残した場合この部分の絶縁抵抗が低く、コロナが発生しケーブルヘッドの閃絡、絶縁破壊事故の原因となるので十分注意して下さい。 A.絶縁体の端部より丁寧に剥ぎ取って下さい。   ただし逆巻きの場合は反対側より剥ぎ取る方が容易です。 B. つぎに絶縁体表面をガソリン、ベンジン等でよく清拭し、十分乾燥させた後、必要な端末処理を行って下さい。(2)端末部の浸水防止   ゴム、プラスチック電力ケーブルが屋外部で架空線と接続され、引込線として使用されている場合、端末施工が不完全であると導体内に雨水等が浸入し、ケーブルの特性が急速に劣化し、絶縁破壊事故が発生することがあります。導体端部にターミナルまたはT分岐を施し、完全に導体内への浸水を防止して下さい。特に北海道地方では、導体内に浸水すると冬期に導体内で凍結し、絶縁体に対して機械的悪影響があると考えられます。 電線ケーブル選定上の注意(1) 屈曲、ねじり、振動を繰り返して受ける電線・ケーブル   表1に示した条件を明示して弊社にお問い合わせ下さい。条件に最もマッチした電線・ケーブルを選定し、使用方法についてもアドバイスいたします。   (例) 移動用ケーブル、耐振性キャブタイヤケーブル、ロボット用ケーブル   このようなケーブルでは、ゴムプッシュまたはスプリングなどにより機器入口に機械的な無理がかからないようにし、さらに固定部で線心がずれないようにする必要があります。(2)防食ケーブル   電食、化学腐食など腐食の激しい所では、鉛被、鋼帯の金属をビニル、クロロプレン、ポリエチレンなどの防食層で保護しなければなりません。化学腐食に対しては薬品、溶剤、油の種類と濃度、温度をご連絡下さい。(3)防鼠   鼠の食害のおそれのある場所では、ビニルシースに防鼠処理を施したケーブルあるいは金属被覆付のケーブル、たとえば鋼帯がい装ケーブルなどを使用するか、その他防鼠テープ等の処置を施して下さい。F011附 録 特殊環境に対する考慮

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